ガーデンカタログ
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ここにご紹介するのは、石膏型を用いた「鋳込(いこ)み」による、磁器製手洗鉢の製造の舞台裏です。よく知られている手びねりやロクロを使った技法とは異なり、「鋳込み」はあらかじめ用意した型を使うことで、複雑な造形や繊細なデザインといった精度の高い焼き物を大量に作り出すことが可能となっています。ふだん使いでありながら、こだわりと個性がキラリと光る…、まさに「ケ」と「ハレ」を兼ねた水まわり空間にふさわしい手洗鉢は、いったいどのような工程を経て生まれるのでしょうか。まずは、磁器のもとになる泥(でい)しょう作りから。製土工場から取り寄せたケーキ状の磁土をかくはん機に割り入れ、水で薄めた珪酸ソーダを加えて、不要物を取り除きながらドロドロの状態になるまでかき混ぜます。でき上がった泥しょうを、圧力タンクを通じて手洗鉢の石膏型に流し入れます。圧力をかけて一気に流し込むという成型方法のため、複雑な造形も美しく仕上げることができるのです。磁器製手洗鉢ができるまで。SETOYAKI瀬戸焼深い技術と重ねた経験で、個性が目覚める。352

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