ガーデンカタログ
8/532

空間の印象は、そこに使われる素材によっても大きく左右されます。とりわけコンパクトな住まいの場合は、素材の種類が多すぎると煩雑なイメージになってしまうため、できる限り素材を絞り込みながら空間をつくりあげることが大切です。素材を限定することで生まれるコントラストや組み合わせは、住まいを上質に見せます。これは、ひとつひとつの素材に向き合い、特性を生かしながら施工することで、その魅力が目にとまりやすくなるため。さながら和食の懐石料理のように、美しさを極めるためにあえて素材を厳選し、シンプルを追求することで、住まいもより深く味わうことができるのです。基本となる素材をじっくりと選び抜き、少ない素材で豊かな空間をつくり上げましょう。住まいの水まわり空間でもっとも多く使用される素材が、ステンレスです。例えばキッチンの場合、天板からシンクまでのパーツを一体になるよう成型。シームレスなデザインとすることで、かたまり感が増し、存在感や質感も高まります。コンクリート打ち放し仕上げと相性が良く、モダンで洗練されたデザイン空間を求める方、本格的な料理ができるプロ仕様のキッチンを求める方にも人気がある組み合わせです。また、水栓や手洗いボウル、タオルハンガーやペーパーホル少ない素材で豊かな空間をつくる。ダーなど、サニタリーのアクセサリーも素材・デザインが共通するものを選ぶことで、空間に統一感が生まれます。同じステンレスでも、仕上げの方法によって見た目の印象やお手入れのしやすさなども大きく異なるため、使い方などを考慮して検討しましょう。住まいを外から見た印象も、屋根と外壁に使われる素材で決まることが多いでしょう。とりわけ外壁材には、住まいに関する家族の考え方がそのまま表れるため、慎重に選びたいもの。また、外壁は周辺環境との調和も考慮するようにしましょう。マイホームといえども好き勝手にどんな素材を使っていいというわけではなく、周辺環境に配慮した外観、街並みに自然になじむ外壁の住まいを心掛けたいものです。ここ十数年で外壁材の性能は格段に向上し、メンテナンスフリーの素材も充実。なかでも経年劣化に強くクールな表情が魅力のガルバリウム鋼板をはじめとする金属製外壁の人気は高く、いまやモダンスタイルの住まいの定番素材になりつつあります。また、鋼板×木質系サイディング、鋼板×カラーサイディングなど、異素材との組み合わせにより金属の硬質さを抑えたコーディネートも可能。葺き方や光の反射によってさまざまな表情が演出できる点も、金属素材ならではの魅力といえるでしょう。素材を感じる住まい。 素材。MATERIAL008

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です