リビングカタログ
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ろくろの職人技を自動化したローラーマシンを使って成形。まずは、洗面ボウルの内枠となる石膏型に粘土をセットし、120℃に熱した鉄のコテで外側をおさえ込む。このとき石膏型を載せた下の台が高速で回転するため、挟み込まれている粘土は指定した形に成形されていく。成形した製品をプロクター乾燥機の棚に石膏型ごと並べていく。2階建ての高さほどの乾燥機はガスで高温に保たれており、その中を40段の棚がゆっくりと巡回し一昼夜かけて乾燥を行う。この時の乾燥が十分でないと、焼いた時に素地に残った水分が膨張して割れてしまうこともある。一度本焼きした製品に、再び「釉上銅版(ゆうじょうどうばん)」にて絵付けをし、さらに1350℃の高温で焼成する。通常の上絵付けとは違って、絵柄が全て釉薬なので、より高度な技術が必要となる。熟練した職人による繊細な作業を経て、いつまでも絵柄が劣化することなく、強度や衛生面などにも優れた製品が完成する。手作業で施釉を行う。桶に入った釉薬をよくかき混ぜ、手に製品を持って桶に浸す。075伝統の技で、日本の水まわりを潤す。

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